LIKE A SHOOTING STAR
ミツオ留学後の世界を描いた、連載ストーリーです。
ラフ画12
(28話のイメージイラスト)
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お父さんも皆も、
結局期待していたのは
ファラにだけなんだ。
- もういいよ、
お兄ちゃん。
さようなら。
行かないで、
行かないでよ。
ファラは、
ぼくにとって、
たった一つの光なの
に・・・。
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あたしはエディの
特別になれたのかな?
今だって、あたしは
眼中にない?
むしろ、しつこすぎ
て、うんざりしてる?
だから離れていって
しまったの?
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ルーシャ「ハンネスさ
ん!本当に・・・
本当に治す方法は
ないんですか?」
ハンネスは三人を
診ながら黙っていたが、
やがて小さく呟いた。
ハンネス「実は・・・
一つだけ心あたりが
ある。」
それを聞いて、ルーシャ
の瞳に光が戻った。
ミツオとロンも、
思わず笑顔を見せる。
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(29話のイメージイラスト)
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マーカスは珍しく
真剣な顔つきで、
そう言った。
本を漁っていた
三人は思わず
手を止めて、
マーカスの方を向く。
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ルーシャ「大丈夫・・・大丈夫よっ!」
彼女は一層強く、手を握った。
フェリオの気持ちが痛いほど伝わってきた。
ルーシャ「ファラはきっと無事よ。
あなたが妹に心配をかけちゃ駄目でしょ。
早くよくならなくちゃ。」
ー 心配でたまらないのに、
あたしには何もできない。
どうしたらいいの・・・。
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ロン「ミツオはさ。
オレがそんなに
弱い奴に見えるか?」
ミツオ「・・・見えな
いさ。ロンは強いよ。
強い想いを胸に
秘めて、いつだって
頑張ってる。」
ロン「そういうこと!
変な心配しないでくれ
よ。心配されるなん
て、性に合わない
し!」
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ハンネスに教えて
もらった、終末の谷。
それは広く、あまりにも
深すぎて、谷の底は
暗闇だった。太陽の光が
届いていないのだろう。
地面が裂けたような、
その異様な谷に、
ミツオ、ルーシャ、
マーカスは思わず
怖気づいた。
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すると、突然ピタッとルーシャの涙が乾いた。
何やらいい香りがする。
心の不安が洗い流されるような・・・、重い気持ちが軽くなっていくような・・・。
ルーシャは振り向いた。
すると、奥の方にかすかな光が見える。温かい光だ。
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エディ「これで、
ファラも回復する
だろう・・・。」
全く、あんな奴らに
協力するなんて、
ぼくはどうかし
ちゃったみたいだ。
でも、そんな想いも
何故かどうでもよく
なってしまう。
花の香りに包まれ
て、ぼくの心は
変に落ち着いて
いた・・・。
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ハンネス「十分だよ。
君には本当に助けてもらった。
心から感謝してる。
・・・ありがとう。」
するとハンネスは、今までにない
くらい温かい笑顔を見せた。
ルーシャは思わずドキッとした。
ハンネスの笑顔は、
まるで太陽のように明るく、
癒しの花のように優しかった。
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