LIKE A SHOOTING STAR                    

          ミツオ留学後の世界を描いた、連載ストーリーです。

 

 26、まやかしの森(後編)

 

 1、 

   ソフィ「あれ・・・、ここは?」

   彼女が次に目を覚ましたときに見たものは、どんよりとした空間だった。

   色々な色が混ざったような・・・。

   周りには、ケーキ、おもちゃ・・・様々なものが浮かんでいる。

   気が付いて驚いたが、彼女は狭い鉄格子の中にいた。

   ロン「う・・・ん・・・今度はどこだ?」

   ソフィ「ロン、気が付きましたか。」

   気を失っていたロンも、ゆっくりと起き上がった。

   あのドレスを身にまとったままだったが・・・。

   ソフィも王族スタイルそのままだった。

   ― ぬ、脱ぎたい・・・。

   ふと彼女は振り向いた。そして、そこにいた球体に目を見張った。

   丸々とした巨体・・・。バード星の制服を着ているが、こんな人、いただろうか・・・。

   むしろ人間?

   ソフィ「ま、まさか・・・。」

   ミツオ「うーん、もう食べられないよぉ・・・。」

   ミツオさん・・・。

   今のミツオは、目も当てられないほど、丸々と肥えていた。まるで毬のようだ。

   ミツオ「あ、あれ・・・どこだここ?」

   すると、そこにいたルーシャ、ラナ、フェリオも起き上がった。

   そして、目の前の仲間の姿に思わず声を上げた。

   ルーシャ「な、何よあなた達・・・!その姿!」

   まるで豚のように丸々としたミツオ。お姫様スタイルのロン。王子様スタイルのソフィ。

   ラナ「アハハハハッ!どうしたのよ三人とも!特にロン〜・・・!

   なかなか、似合ってるじゃない!」

   ロン「うっ、うるさいな!オレだって、好きでこんなドレス着てるわけじゃないんだよ!

   そ、そうだ!」

   するとロンはソフィに真剣な顔で向き合った。

   ロン「ソフィ・・・。」

   ソフィ「ロ、ロン・・・?」

   ロン「その服、今すぐ脱いでくれ。オレと服を交換すれば、少しは不自然じゃなくなるだろ?」

   ・・・・。

   ポカッ!

   ソフィは、そんなロンの頭を再び殴った。勿論、グーで。

   ソフィ「馬鹿ーぁ!何言ってるんですか、もう!」

   ロン「痛たたたた・・・。オレなにか、変なこと言ったっけ?」    


   「あっ、お兄ちゃんだ!お兄ちゃーん!」

   すると、突然横から声が聞こえてきた。

   なんと、ミツオたちの鉄格子の横には、もう一つ全く同じ鉄格子。

   しかもその中に居たのは、探し求めていたエディとファラだったのだ。

   フェリオ「ファラ!」

   ミツオ「きみたちも、ここに閉じ込められていたの・・・!?」

   その時、前方からかすかな笑い声がした。例の不思議な少女がこちらを眺めている。

   「夢の世界はどうだった?とっても楽しかったでしょ?」

   ロン「冗談じゃないぜ!早く、ここから出せって言ってるんだよ!」

   しかし、少女は首を振り続けるだけだ。

   「だって、あたし、この屋敷から見ていたもの。あの人達が、町を破壊していく様子をね。」

   そう少女が指したのは、エディとファラの方だった。

   「ここから外に出したら、あなた達はあたしの屋敷を狙うでしょ?あたしだって、家を壊されるの

   は嫌だもの。」

   エディ「べ、別に、ぼくの目的は町の建物を壊す事じゃないんだから・・・そんなことしないって

   のに。」

   ロンは鉄格子に手をかけた。

   とても頑丈そうだ。簡単には壊れないだろう。しかし・・・自分にはパーマンセットがある。

   ロン「こんなもの、6600倍のパワーでこっぱみじんにしてやるよ!」

   そう言って彼はポケットからパーマンセットを取りだしパー着すると、鉄格子に向かって拳を振り

   下ろした。

   だが・・・。

   ロン「痛ったああああッ!」

   ルーシャ「ロ、ロン?大丈夫!?」

   自分の拳が痛んだだけで、ビクともしなかった。その様子を見て、少女は笑う。

   「無駄だよ。その檻は何をしたって壊れないよ。ここでは、何もかも、あたしの思い通り。」

   エディ「くそっ!ずっと、ここに閉じ込めておく気か!ぼくは君に直接何かをしたわけじゃない

   じゃないか!」

   「・・・そうね。」

   すると、彼女の体が急に歪んだ。そして、大きく大きく巨大化していく。

   やがて少女の面影は消え、一匹のモンスターと化した。

   ミツオたちは驚きのあまり、腰を抜かす。

   エディ「あ、あのモンスター!最初の・・・!」

   「ここは、夢の中。自分が思うがままに姿形は変えられる。

   先ほどまでの少女も、本来の姿ではない。」

   モンスターが野太い声でそう呟く。

   ルーシャ「じゃぁ、もしかして、あのうさぎも・・・?」

   ソフィ「あ、あなた・・・。一体何者なの!?」

   しかしソフィの言葉に応えず、モンスターは続けた。

   「確かにこのままじゃ、つまらない。君達がこの私を倒すことができたら、元の世界へ帰してあげ

   よう。」

   三つの目が鋭い光を放ち、緑の体が不気味にうねっている。

   こんなモンスターを、倒すなんて・・・。

   するとモンスターは両手で、彼らの鉄格子に向かって、鋭い爪を振りかざした。

   爪は鉄格子を粉々に砕く。

   ロン「み、みんな!パーマンセットを!」

   ロンの声かけで、他の皆もそれぞれパー着した。何はともあれ、このモンスターさえ倒せば、この

   おかしな世界から抜け出せるのだ。

   彼らは一斉に飛びかかった。

   しかし、どうだろう・・・。どんな攻撃も、モンスターには全く効かなかった。

   ミツオ「み、みんな!パータッチで繋がろう!パワーも倍になるはずだよ!」

   ラナ「そ、そうね!」

   六人は縦につながった。そしてスピードをつけ、モンスターの腹部に突っ込む。

   モンスターはバランスを崩し、ふらついた。

   ロン「や、やったか・・・!」

   しかし、体勢を立て直すと、その鋭い爪は彼ら目がけて襲いかかった。

   勢いよく飛ばされた六人は、よろよろと立ち上がる。

   強い・・・!

   しかし、その瞬間。眩しいほどの光の光線が、モンスターを突き通した。

   振り返ると、エディの体が光っている。恐らく、集めたばかりの感情エネルギーの一部を放出した

   のだろう。

   そのモンスターは、その一撃で呆気なく倒れ込んだ。

   ソフィ「そ、そんな・・・!」

   エディ「何だ、言うほどでもないじゃないか。」

   モンスターの体が光から放たれたとき、その巨体はみるみる縮んで、地面に落ちた。

   それと同時に今までの異様な空間は煙のように消え去り、もとの洋館の庭に戻っていた。

   ルーシャ「か、帰ってきたの・・・?」

   制服に戻ったソフィたちは、落下した生物に近寄った。

   体長は1メートル弱ほどだろうか。豚のような体つきに、ゾウの鼻のような口吻。

   その姿は、地球でいう伝説の珍獣、バクを思い出させるものだった。

   ソフィ「この生物・・・確か、宇宙生物図鑑で見たことがあります!」

   彼女が思い出すように言った。

   ソフィ「人の夢を喰うと言われる生き物です。悪夢を見せて、悪戯したりもするんですって。今ま

   での世界は、この子が見せていた夢だったみたいですね。」

   ロン「つーかまえたっ!」

   すると背後で声が聞こえた。見ると、ロンがエディの体を押さえ込んでいる。

   ロン「さあ、レモン!エディの体を返してもらうぞ!」

   エディ「レモンとは何だ!さっさと離れろ!」

   すると、エディはロンの方に向き合い、右手を突き出した。そこから強い光が放たれ、ロンは勢い

   よくはね飛ばされる。

   彼の体は屋敷の壁にたたき付けられた。

   ミツオ「ロン!」

   いつの間にか、ミツオの体も戻っている。身軽な体を走らせ、ミツオはロンに近寄った。

   ミツオ「大丈夫?」

   ロン「あ・・・あぁ。大丈夫。」

   フェリオ「エディさん!ファラを返して下さい!さぁ、ファラ。戻っておいで。」

   フェリオはそこに居たファラに訴えた。きっと、ファラは戻ってくる。

   しかし、フェリオが聞いたのは、彼女の思いがけない答えだった。

   ファラ「ごめんなさい、お兄ちゃん・・・。わたし、今は戻れないんだ。」

   フェリオ「・・・え?」

   するとエディとファラの体は上昇した。そのまま、空の中へ消えていく。

   フェリオは何も出来ずに、ただ茫然と立ちすくんでいた。

   ― な、何で・・・?ファラ・・・?

   ラナ「エディ・・・。また、助けることが出来なかった・・・。」

   彼女もまたうつむいた。

   一方、バクは起き上がると、森の方へ逃げていった。

   ソフィ「もう、悪戯しちゃダメですよー。」

   そう言うと、ソフィもロンの方へ近寄る。

   ソフィ「大丈夫ですか、ロン?」

   ロン「あぁ・・・。でも、驚いたな。レモンの奴、もう相当なエネルギーを得てやがる

   よ・・・。」

   パーマン六人でも敵わなかった相手を、エディは一撃で倒してしまった。

   厄介なことになった。

   ソフィ「そうですね・・・。とにかく、バード星にも頼んで、あの町の復興作業くらいは手伝わな

   いといけませんね。

   そしてまたすぐに・・・、エディさんたちを追わないと。」

   ロン「・・・そうだな。」

   ― わたし、今は戻れないんだ。

   フェリオ「ファラ・・・、どうしたっていうんだ。」

   ファラ自らがエディさんのそばにいることを、選んだってことか・・・?

   その屋敷は今も尚、不気味な雰囲気を醸し出しており、空はどんよりと曇っていた。

 


 3、


   アルド「やぁ、ロリーナ!只今戻ったよ!」

   バード星本部の、石の研究室。

   ロリーナのもとに、アルドとセレナが明るい声を出して帰ってきた。

   二人の顔には、満面の笑み。そして、手には袋が提げられている。

   アルド「あ、これお土産。みんなで食べようと思ってさ。」

   ロリーナ「ありがとう。どうだった、地球への新婚旅行は?」

   すると、アルドはニッコリと笑った。

   アルド「最高だったよ!やっぱり、あそこは何度行っても良いからね!セレナもいっぱい、楽しん

   だよね。」

   セレナ「ええ。日本の清水寺をはじめ、ギリシャや中国という所にも行ってきたの。

   アルドは、地球のことなら、本当に詳しいんです。」

   ロリーナは地球に新婚旅行なんてどうなることかと思っていたが、どうやらセレナも楽しめた

   ようだ。

   セレナ「そうだ。何枚か写真も撮ってきたんです。ロリーナ先輩も見てみますか?」

   彼女はそう言って、写真をテーブルの上に広げた。

   ロリーナ「なるほどねぇ。確かにミネルダは、地球にどことなく似ているわね。」

   アルド「だろ〜?あ、お土産はねぇ。名古屋という都市の名物、みそかつを買ってきたんだ。きし

   めんもあるよ。」

   セレナ「でも・・・本当に良かったんですか?」

   突然セレナが不安そうに尋ねる。

   セレナ「こんな大変な時に、暢気に新婚旅行なんて・・・。」

   ロリーナ「いいの、いいの。だってハネムーンなんて、一生に一度の思い出でしょ?」

   彼女は微笑んだ。

   ロリーナ「それに、今も連絡があったけど、ミツオくんたちは頑張っているみたいよ。石はまだ、

   捕まえられないみたいだけどね。」

   アルド「そうか・・・。あ、ミツオくんと言えばね。今回はパー子ちゃんにも会ってきたんだ。」

   するとロリーナは驚いたように、アルドを見た。

   ロリーナ「えっと・・・パー子ちゃんと言うと、確かミツオくんの地球でのパーマン仲間だったかし

   ら?」

   アルド「そうそう。そのミツオくんと相思相愛で、ずっと彼に会いたがっているパー子ちゃんね。

   その子と、今度ミツオくんに会わせてあげる、約束もしたんだ。」

   ・・・・・。

   ロリーナ「・・・え?な、何ですって!?バードマン候補でもないパーマンを、バード星に連れて

   くる事なんて、ダメに決まってるじゃないの!

   大体、今ミツオくんは、それどころじゃないでしょ!?」

   アルド「勿論、この一件が片づいた後でさ。それに、規則で決められているからって、総監に許可

   をもらえば、問題ないだろ?」

   アルドは当然のように笑った。

   アルド「それに、僕と総監は特別な仲だからね。」

   ロリーナ「それは・・・知ってるけど・・・。」

   アルド「あんなにもミツオくんのことを思っているんだ。パー子ちゃんが彼に会いたいと思うの

   は、当然だからね・・・。」

   会うことが出来るなら、それが可能なうちに会っておかないと。

   いつ何が起こって会えなくなるか、わからないから・・・。

   ロリーナ「全く・・・。私の周りには、規則をねじ曲げたがる人が多いんだから。」

   アルド「・・・・誰だい、それは?」

   すると、突然部屋のドアが開いた。そこから一人の男が入ってきた。

   黒いバードマンマスクに、赤いマント。全身、グレーのスーツに胸には大きくBの文字。

   「あーぁ、疲れたなぁ。やっと帰れたよ〜。」

   そう情けない声を出した主に、ロリーナは呆れた声を出した。

   ロリーナ「・・・やっと帰ってきたのね。」

   それはミツオのバードマンだった。以前、規則で禁じられているのにも拘わらず、地球のパーマン

   3号の記憶を戻してしまった張本人。勿論、後で上司にたっぷり叱られたのだが。

   ロリーナは彼に歩み寄る。

   ロリーナ「全く!宇宙の辺境に調査に出かけると言ったきり、長い間帰ってこなくて心配したんだ

   から!どうせ、道草でもくっていたんでしょ?」

   「あ、あたしは任務を果たしてきただけだよ!そりゃちょっと、寄り道もしたりしなかった

   り・・・。」

   ロリーナ「ちゃんと、ここの責任者としての自覚を持ってよね!」

   するとセレナは驚いたように声を出した。

   セレナ「えっ、ここの責任者って、この方だったんですか?」

   アルド「その通りさセレナ!やぁ〜、久しぶりだね!」

   「アルドじゃないか!」

   二人は駆け寄った。アルドとミツオのバードマンは、学生時代から仲が良かったのだ。

   ― 二人とも、いい加減なところがそっくりだものね・・・。

   と、思うロリーナだったが、彼女もミツオたちには随分甘いものだ。

   「それにしても、ミツオくん達にあの石を追わせたみたいじゃないか。よく、総監がお許しになっ

   たなぁ。」

   アルド「まぁね。君とロリーナ同様、ぼくだって、ミツオくんたちを信じているわけだし。きっと

   大丈夫だよ。」

   そう言って、アルドはみそかつを彼に差し出した。


 

   アルド「と、言うわけで総監にもお裾分けです!このみそかつ、本当に美味しいんですよ〜。」

   総監室に赴いたアルドは、嬉しそうにみそかつを渡す。

   総監は呆れたような声を出した。

   総監「こんなものより、あの石を追っていた少年たちの様子はどうなのかね?」

   アルド「大丈夫、大丈夫。何とかやっているみたいですよ。ですが、あの石もなかなか、すばしっ 

   こくてね〜。」

   アルドは袋からういろうを取りだして、ほおばっている。

   総監「本当は君達に行って欲しかったのだが、石の秘密が公になるのを防ぐためにも、バード

   星の重役であるロリーナくん達を行かせるわけにはいかなかった。コピーロボットを使ったところ

   で、わかる人にはわかるだろうしな。」

   アルド「総監は心配性ですね〜。」

   総監「お前は、昔から緊迫感がなさすぎだ。」

   二人は笑いあった。

   アルド「でも、総監には本当に感謝しているんですよ。パーマンも経験していない、異星人の僕

   が、今こうしてバードマンをしているのは、全て総監のおかげですからね・・・。」

   彼は思い出すように言った。総監もうなずく。

   総監「あの時の君は、本当に真っ直ぐな目をしていた。平和を愛していることが、痛いほど伝わっ

   てきたよ。」

   しかし・・・。

   総監は急にうつむいた。

   総監「君は、私がバード星に連れ出したことで、家族や友人、故郷の星そのもの全てを捨てなくて

   はいけなかった。

   しかも、その後、核ミサイルの誤射で、星が滅亡し、本当に、かつて愛した誰とも会うことが出来

   なくなってしまった。

   すまなかったと思っている・・・。」

   アルド「そ、そんな!星の滅亡は、総監とは関係ないですから!それに、僕が無理言って、ここま

   で連れてきてもらったんです。感謝の気持ちでいっぱいですよ。」

   そう言って、アルドは総監の目を真っ直ぐ見つめた。自信に満ちた目だ。

   総監は息をついた。

   総監「君のその真っ直ぐな目・・・、私は最近再び見た気がするんだ。」

   アルド「・・・・?それって、僕のことですか?」

   総監「いや、とあるPBのことなんだけどね。実は、例のSPBという制度は彼が頼み込んだものなん

   だが・・・。」

   それにアルドはハッと気が付いた。

   アルド「それって、ミツオくんのことでしょ!ロリーナに聞きましたよ。そっか、そういうこと

   かぁ・・・。」

   彼は楽しそうに笑った。

   アルド「ミツオくんの真っ直ぐな気持ちに、僕と通じるものを感じたものだから、SPBなんて無茶

   なことを許可したんですね!そっかぁ、なるほどねぇ・・・。」

   総監「こ、このみそかつというもの、食べていいんだったな!早速いただくぞ!」

   アルド「あっ、僕の分も残しておいてくださいよ!」

   総監室は笑顔に溢れていた。

   ただ、総監がミツオの願いを聞きに入れたのは、アルドの存在があったからだけではない。

   ミツオの正義を愛する真剣な想いは、若き日の総監自身の面影にも通じるところがあった

   からだった・・・−


 


   ファラ、君とぼくはいつも一緒だった。

   なのに、君は今、ぼくから離れていこうとしている。

   いや・・・今まで通り・・・かな?

   ファラは天才だった。ぼくに出来ないことでも、なんでも簡単にやってのけた。

   光輝く君は、ぼくを置いて、前へ前へと進んでいく。その後を、ぼくは追いかけることしか出来な

   かったんだ。

   天才型の君。努力型のぼく。

   そんなファラを、ぼくは心の奥底で恨んでいた・・・?いや、そんなことはない!

   ぼくはファラが大好きだ。それは絶対に間違いない。

   多分、心の奥に潜むもう一人のぼくが、ファラに対しての劣等感を抱き続けているんだと思う。

   君はまた、ぼくを置いて、どこかへ行ってしまうのか。どうして・・・。

   どうして双子なのに、こんなにバラバラなんだ・・・。

 

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